古い精神分析まだ受けてるの?

梅雨あけて夏…

カウンセラーは皆さん一度は勉強をする精神分析。
難解だし、事例を読んでもしっくり来ないし
自分は頭がよくないからって
勉強を諦める人も多いのではないでしょうか

精神分析再考-アタッチメント理論とクライエント中心療法の経験から- 著:林もも子 2017 みずほ書房

私もそのうちの1人で、
他学派にたつカウンセラーとの
コミュニケーションのために
共通言語として浅く知っていればいい
だなんて院時代は思っていました。

無意識という見えないものを扱うより
意識を扱う方が分かりやすいし、
認知行動療法にこだわったり

暖かみがあるというイメージから
クライエント中心療法を学ぶ人も多いはず。

一般的に言われているいわゆる精神分析は
はっきりいって古い、そう思えました。

しかしこれは精神分析への批判ではなく
現代にあわせた理解をもって
クライエントさんに有効なものにするための
まなびです





精神分析が古いと言われるのは


精神分析はフロイトによって創生された
心理療法の一つの学派ですが

フロイトが性的な部分に固執して
様々な批判がうまれ
弟子のユングやその他大勢の
枝分かれ学派がありますが

ユングも神話をもちいるなど
現在にはフィットしないものが多く
この書籍でも
神話は治療者の社会的文脈の投影を擬人化したもの
の可能性があると指摘しています

精神分析では
自由連想をするクライエントと
解釈を与える治療者
という縦の関係が想定されており

治療者がすんなり受け入れられない
クライエントの言動を
転移(過去に経験した重要な他者との関係を今に持ち込むこと)だ
と解釈していきます(他にもあるけど)

現在の若手の(あるいは中堅も)
カウンセラーは形ばかりの精神分析を
教えられていることが多いようです

自由連想させて解釈を与える構造の
ベースにはアタッチメントが必要だと
著者は述べています

つまり、日常では言えないことや
自分を見つめる作業をするためには
それを聴いてくれる安心できる
空間、そして人が必要だということです

「精神分析ではこうだ!」
にこだわって、教科書通りに
治療をすすめるようとしても
うわ滑りするのは

治療者が教えられたことを
振りかざすような
教条的な態度であって
安心感がベースに無いからだと思われます

安心感があった上で
て適所に技法が乗ってはじめて
道具として精神分析が機能するということですね

さいごに

最近、開業心理士のHPを
見ていると、
認知行動療法歴○年の実績!
とか、アメリカ」○○教授から直接教わった
ということを謳ってるものをよく見ますが

カウンセラー選びは
まずは安心感から!


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