カウンセラーが持つべき3つのこと




前回『共感的理解』について触れましたが、
実は、あと2つ、カウンセラーにとって大事なものがあります
今日は3冊シリーズまとめて書いてみたいと思います。
(めっちゃ読んだなあ~)

ロジャーズの中核三条件シリーズ 2015 創元社

その3つとは
「共感的理解」
「一致」
「無条件の積極的関心」
です。

来談者中心療法で有名なロジャースは
この3つがカウンセラーの持つべき態度であると
提唱しました。
ただ、この3つは
それぞれ関連し合っているので
分けられるものではないで、まとめて
ゆるーく僕の伝えたいことを書いてみます。

共感的理解




まずは共感的理解です

共感的理解は
クライエントさんの語りを
ありありと想像して聴き
あたかも自分のことかのように
感じ取ることです

この'あたかも'が大事で
あたかもの姿勢がなければ
カウンセラー自身の
心の傷に触れてしまう恐れがあります

またあたかもでなければ
カウンセラーの価値基準を
クライエントさんに押し付けかねません

Aさんが
「毎日辛くて生きるのが精いっぱいなんです」
とその状況を語ってくれます

「辛いですね」は共感的理解ではなく
「僕がAさんならそれは辛いです」が共感的理解になります

この書籍から言葉を借りると
「人の靴を履く」
つまりその人の見ている世界や
置かれた状況を自分も見ているかのように
想像しながら聴くこと

それが'あたかも'です

一致




一致とは
カウンセラーが
カウンセリングの間
常に自分に純粋でいることです

たとえば、クライエントの話に
どうしても共感できない
だけれど、カウンセラーだから
共感しなきゃと思って無理に
話を聴いていると
2人のコミュニケーションに
矛盾が起こって
カウンセリングが上手く行かない

ということが起こります。

そんな時、
「さっきの部分がどうしても理解できなくて」
と素直に伝えることがあります。

私が経験したことですが
真剣に悩みを話すクライエントを
目の前に大爆笑してしまった
ことがきっかけで
進展したことがあります。

笑いを堪えて、共感を演じていたら
解決するのにさらに時間が
かかったかもしれません。
滑稽に感じているという
気持ちを純粋に表現したということです。

だったら常にズバズバ
自分の意見を言ったらいいのか
と勘違いされがちですが
そうではなく、
感じていることを
伝えずにはおれず
自分が自分でおれなくなる
かつ
クライエントの成長の
役に立つかもしれない
場合に

自分が一致して
伝えるといいと思います

無条件の積極的関心




以前

カウンセリングでの「見立て」

で、どんな自分も認めてもらえる経験
について少しだけ書きました

つまり無条件に関心をもつこと。

クライエントの
この部分はいい、これは悪い

とカウンセラーの価値基準で
聴かれてしまうと
またしても認めてもらえなかった
とクライエントは絶望するかもしれません

ああ、このひとは
この状況でこう感じるんだ
こんな考え方をするんだ

ただただ関心を向ける
どんなこともその人の一部だと
思って聴くことだと思います。

この書籍で池見先生が
無条件の積極的関心は
態度というより
クライエントとの関係の在り方であり
「温かく認める」ということと言っています

さいごに

以上3つに加えて
ロジャースは
その3つがクライエントに伝わっていることが
カウンセリングに必要と
言っています。

ただ
常にその3つを完璧で
なければならないかといえば
それは難しいはずです。

さっきもいいましたが
「カウンセラーたるもの受容しなければ」
と思った時点で
あたかも自分のことのようには経験できておらず
一致しておらず、温かく認められず
という矛盾になります。

それを保つために一致した自分を伝えたり
あたかもになれる訓練をしたり
温かい関心を持つために(適度に距離をもつために)
カウンセラー自身の心の傷をクリアにしておく
必要があります

もしあなたのカウンセラーから
この3つ、あるいは安心感や
みとめてもらっている感覚
があればきっとうまくいきます 
いつもながら
職場での人間関係に置き換えて
考えてみると、ヒントになるかもしれません

ありがとうございました



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