お金持ちより時間持ち



「モモ」 著:ミヒャエル・エンデ 訳:大島かおり 2005年 岩波書店

今日はいつもと違った感じで書いてみます。



ドイツの児童文学作家 ミヒャエル・エンデ氏の名作です

この本のテーマ “時間”

このお話は
「時間どろぼうと、ぬすまれた時間を
人間にとりかえしてくれた
女の子のふしぎな物語」

主人公である女の子がモモなのですが、
あらすじをすごーくざっくり言うと、

いい暮らしをする為にと
そそのかされて、
人々は効率よく働こうとし
一切の時間の無駄を嫌い
せかせかと生き始める

子どもたちも
自分たちで考えた遊びより
将来の為になる遊び
を強制される

本当の豊かな暮らしが
出来なくなってしまった街を

モモが助ける
というお話です。
DVDもあるみたいですね


キーワードは
時間です。
この物語は時間の意味を
教えてくれるものだと思います。

この本が伝えること

突然の私事で興味ないとは思いますが…
私は、家に電化製品をほとんど置いていません

あるのは部屋の電気と
このPCやスマートフォン
あ、あと入居時から
備え付けられていたエアコン

冷蔵庫や掃除機、炊飯器、レンジは
持っていません。
(心理士の信頼のために、
買うお金はあると言っておきます!笑)

炊飯器でお米を炊くのって
ボタンを押すだけで楽ちんですよね
炊いている30分くらい放っておいて
残りの仕事をしたり、明日の準備とか
他の時間に使えます

私はなんだかその楽が苦しいなと思って
土鍋でご飯を炊くようにしました

多くの人間は、時間が出来たら
他の用事を詰めてしまう傾向にあるようです

土鍋は、火加減が大事で
炊き始めると、台所から離れられません
しかも、音とか匂いとかも感じながら
炊き終わっても蒸らすという工程があり
食べるまでになかなか時間がかかります

でも、炊飯器と比べ物にならないくらい
美味しいんです!

…土鍋を語ってしまいました。

物語にこんな場面があります

「時計というのはね、
人間ひとりひとりの胸のなかにあるものを、
きわめて不完全ながらもまねて象ったものなのだ。
光を見るためには目があり、
音を聞くためには耳があるのとおなじに、
人間には時間を感じとるために心というものがある。
そして、もしその心が時間を感じとらないようなときには、
その時間はないもおなじだ。」
とモモは教えてもらいます

(少し極端ですが)きっと
「忙しい」「時間がない」から
お米を炊く事を炊飯器に任せて
その間に他の用事を済ませる

ではなく、

美味しいご飯を炊く為の時間を大事にしない
だからみんな「忙しい」「時間がない」
って思うのではないでしょうか

ボタンを押して待つ30分は長いけど
土鍋に集中する50分は短い
豊かやなーって思います

人々は豊かな暮らしを目指して
せかせか働いて
どんどん効率をあげて
それでも、まだまだと感じる

不安になって
もっと工夫して
効率をあげて
やがて疲れたり
イライラしたりと
ダメになる
全然豊かとは程遠いですよね

モモから学ぶ"時間の使い方"

主人公のモモは、「めずらしい性質」を持っています
それは、「あいての話を聞くこと」です

迷っている人、引っ込み思案の人、悩んでいる人の
話をただ注意深くきくことで、
近所の人は意思がはっきりしたり希望が湧いてくるとのこと
子どもたちも、大人が買い与えるおもちゃで遊ぶより
モモといることの方が想像力が膨らみます

近所の人は、その分
モモを助けてくれるようになります

もうひとつ、モモの特徴として
どんな時も誰かを信じて
じっと待つことができることがあります

時間を節約して生きることが
豊かさにつながると感じると(麻痺すると)
やがて疲れることは前述しました

社会の歯車とはよく言ったもので
時間の節約は他者との交流を断ちます
人を待つという行動は出来ません

しかしモモは
いつでも人の話をじっと聴き
ずっと人を待ちます

人に時間を使う事ができる
というか、そこに意味を感じる、楽しむ
あるいは豊かさを感じているのだと思います

つまり、対人関係を持つことが
生きる豊かさなのだと教えてくれています

"時間持ち"になりたい

またしても私事で興味ないと思いますが…
お金持ちになりたいってずっと思ってました

でも最近は、時間持ちになりたい
ってよく考えます

周囲の人を見ていて
例を挙げだすと限がないですが

8:25の特急に乗らなきゃ遅刻すると慌てて来たのに
電車に乗る直前で、人が道をふさいで乗れず
イライラしたり、

残業代でないから
17:00までに仕事切り上げて帰りなさいと
上司に言われるので
やっつけになったり

きっとそれって
将来の豊かさ(出世して給料UPとか)の為に
評価を気にしたり
努力する表れと思います

でも、もし時間持ちだったら
次の電車でいいやって思えたり

19時に帰ってもいいから
少し休憩して同僚との会話を楽しめたり

モモが教えてくれた時間の使い方とは
少し違うかもしれませんが

やはりセカセカすることは
直接的にも間接的にも
対人関係を希薄化することに
繋がるなーっと思うのです

時間に裕福な人ほど
豊かな暮らしができるのではないでしょうか
*もちろん今の社会では効率も必要とは思います

おわりに


他にも取り上げたいところが
たくさん詰まってる本でした。

たとえば
死とはなにか知れば
怖くなくなって、時間が盗まれることはない
という部分があって
ハイデガー哲学を思わせたり
ただの物語ではないなあと思います

さいごに

私はカウンセリングでは
50分という枠組みの中で
話を聴きながら
相手の変化あるいは成長を信じています

それを生まれながらにできるモモは
カウンセラー以上だと思いました





最後まで読んでいただき
ありがとうございました!

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