「境界性パーソナリティ障害は心のトラブル」




本日は

『絆の病 境界性パーソナリティ障害の克服』 著:岡田尊司+咲セリ 2016年 ポプラ社

 
について書こうと思います。



この書籍は
境界性パーソナリティ障害の当事者である
咲セリさんがどのように自分の苦しみを捉えて、どのように回復していったか
について、精神科医の岡田尊司先生との対談形式で綴られています。

そもそも境界性パーソナリティ障害
対人場面に問題が起こりやすく

「あの人はなんて素敵なんだ!」といい、
その人や周囲から見捨てられないように必死に努力するのだけど

見捨てられた(と自分が感じてしまった)ら、
自分が傷つく前に、相手を傷つけようとしたり、
「あんなやつはクズだ!」と

0か100でしか評価できず不安定な関係性をもちます。
なので、「自分は幸せになれない」と常に虚しさを感じていたりします。

その背景には、幼少期に母親から愛情を貰えなかった(満足のいく愛情ではなかった)
ことが大きいとされています。

世間では異常性格で、治らない障害なんて言われたりもしますが
岡田先生は障害というよりも嫌なことが積み重なった心のトラブルであって
個人の病ではなく、関係性の病だと強調されております。

だから、
調子のいい時も悪い時も変わらずに
受け入れてくれる相手や
死にたいって言えてよかったと、
どんな私をも受け入れる相手

周囲の人が受け入れてくれている安心感が満たされると
次第に自分が自分を受け入れられるようになって
安定していきます。

勉強になったのは
境界性パーソナリティ障害に限らないのだろうけれど、
見捨てられ不安から、頑張って頑張って周りに合わせてきた人に
「無理しないで」という言葉が効かないということでした。

それを普通と思っていたから。「無理」って何?
ってなるんですね。

ほんとはしんどいんだけど
しんどいと言ったらダメ、見捨てられる
とどこかで思ってしまって
「しんどくない」「これが当たり前」
になってしまう。

僕なら
『自分にとっての「無理」を一緒に
 探せるといいですね。』
と言いたくなるかもしれません。
自分を抑えて大変でしたね、無理と思っていいんですよ。
を暗に示しながら。

当事者の思いや工夫を知って
少し違った視点で理解することが出来ました。
すーっと読むことが出来るのも岡田先生シリーズの
特徴ですね!

「悩み話す前にこれ読んでみて」って渡したくなる1冊です。
カウンセリングを放棄する意味ではなく(笑)、
クライエントさんと一緒に読んで一緒に考察してみたい気持ちになりました。



気になる方は
ぜひ上のリンクからご購入を。

今日もありがとうございました。


 

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